赤ちゃんはなるべく体調を崩さずに
元気でいて欲しいものですが、
赤ちゃんの免疫をつけるためには
風邪をひかせるのも大切なことです。
病気の中にはうつるものとうつらない
ものがありますが、アトピー性皮膚炎
の場合はどうでしょうか?
今回は、アトピー性皮膚炎が他の
お子さんにうつしたり、うつされる
ことがあるのかについて、ご説明
します。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎はうつる?
結論から言うと、アトピー性皮膚炎は
うつりません。
何故なら、アトピー性皮膚炎の原因の
多くはアレルギーによるものだから
です。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因は
下記のようなことが多く挙げられます。
・食べ物によるアレルギー
(卵・小麦・牛乳など)
・ハウスダスト
(カビ・ダニ・花粉・ほこりなど)
・肌着や寝具などによる摩擦
・ストレスや体調不良
外因的なものもありますが、多くの
原因は体内で何かしらのアレルギー
反応がでたことにより湿疹やかゆみを
引き起こすのがアトピー性皮膚炎です。
例えば花粉症の人が身近でくしゃみを
したからと言って、花粉症がうつる
ことはありませんよね。
それと同じで、アトピー性皮膚炎も
うつることはありません。
アトピー性皮膚炎のお子さんがなめた
おもちゃで、他のお子さんが遊んで
もうつることはありません。
安心して仲良く遊ばせてあげましょう。
アトピー性皮膚炎ととびひの違い
アトピー性皮膚炎の症状と似ている
ものに、「とびひ」があります。
とびひの正式名称は「伝染性膿痂疹
(でんせんせいのうかしん)」です。
夏に子供たちの間でよく流行します。
虫刺されや傷に細菌が入り込み、
強いかゆみや水泡の症状がでます。
とびひの部分をかいて水泡を壊して
しまうと、水泡の汁が手につきます。
汁がついてしまった手で他の傷口や
皮膚の抵抗力が弱まっているところを
触ってしまうと、どんどん飛び火の
ようにあちこちに広がるのが特徴
です。
子供達同士でうつしたりうつされ
たりするので保育園や幼稚園で流行
することが多くあります。
アトピー性皮膚炎ととびひの大きな
違いは症状そのものが感染するか
しないかです。
アトピー性皮膚炎は前述の通り
伝染しませんが、アトピー性皮膚炎
の傷口やかいたところから、
細菌が入り込み、とびひになって
しまうことは考えられますので
注意が必要です。
他のお子さんにうつしてしまうのも
心苦しいですが、アトピー性皮膚炎
とはまた違う皮膚病を発症させて
しまうのも可哀相ですよね。
アトピー性皮膚炎にも、とびひにも
言えることですが、傷になって
しまったら二次感染を防ぐためにも
しっかりとケアをしてあげましょう。
アトピー性皮膚炎で傷になって
しまった患部のケア
アトピー性皮膚炎で傷になってしまった
時はどのようなケアが必要でしょうか?
アトピー性皮膚炎の肌は刺激にとても
弱くなっています。病院から処方された
薬はぽんぽんと優しく置くように塗って
あげましょう。
ごしごし塗り込むとまた刺激になって
しまいます。
傷口なので消毒したくなりますが、
消毒も刺激なので避けましょう。
薬を塗ったらガーゼを充てて、包帯で
ガーゼを固定します。
大判のばんそうこうは接着部分が
皮膚の弱いところに貼られると
またそこが炎症を起こすことがあります。
赤ちゃんは手足をたくさん動かします
ので外れやすく、巻きにくいのが包帯の
難点です。
親御さんは日に何度も包帯を巻くのは
大変ですが、患部が落ち着くまでは
薬・ガーゼ・包帯で様子を見ましょう。
必要ならかかりつけの小児科や皮膚科を
なるべく早めに受診してくださいね。
また、かきこわさないようにするための
日頃のホームケアも大切です。
夏は湿度が高いので、皮膚の状態が
良さそうに見えますが、夏こそケアが
必要です。
汗をかくと皮膚へ刺激になり、むずむず
とかゆくなります。
このかゆみをかいてしまうことによって
アトピー性皮膚炎の症状を悪化させる
こともあります。
毎日しっかり汚れを落とす為にお風呂に
入って保湿ケアをしてあげてください。
紫外線や汗などの刺激で、夏は思った
以上に皮膚はダメージを受けています。
汗をびっしょりかいたら、夜だけでなく
行水をさせて汗を流してあげるのも
赤ちゃんは喜びますよ。
その後はしっかり保湿ケアをして、
ゆっくりと眠らせてあげましょう。
眠って体力を回復させることは、
免疫力アップにつながりますので
アトピー性皮膚炎の症状をおさえる
働きもしてくれます。
新陳代謝を活発にし、汗をかくことで
体内から余計なものを排出していく
ことも、アトピー性皮膚炎の治療には
大事なことです。
おわりに
季節問わず、赤ちゃんにはたくさんの
刺激や病気の可能性があります。
他のお子さんと触れ合うことで
うつされる可能性も高くなります。
赤ちゃんにとって、お友達と遊ぶこと
も、病気をもらうことも必要な経験で
あることも確かです。
大事な赤ちゃんを守るために、親御
さんはどうしても神経質になって
しまいがち。
様々な病気への理解を深めるのも
親としての大切なことです。
赤ちゃんの生きる力は大人では
想像つかないほどたくましいものです。
大らかな気持ちで受け止めて
あげて下さいね。