玄米食と言えば健康に効果的なイメージがありますね。
子供にも食べさせたいですが、子供にとって玄米は消化が悪いという話も聞きます。
今回は子供にとって玄米は消化が悪いのか?や、いつから食べさせてもいいのか?などの疑問点を調べてみます。
目次
子供にとって玄米は消化が悪い?
玄米はぬかと胚芽がついている
玄米と白米の違いは、精米しているかしていないかです。
白米は、籾殻を取る→ぬか・胚芽を取る(精米)→白米 となりますが、
玄米は、籾殻を取る→玄米 となります。
ぬか・胚芽はビタミンB・食物繊維・ミネラルなど白米より多く栄養素が含まれているので体にはいいのは確かですが、
単純に殻(セルロース)一枚多く被っている状態です。
ぬか・胚芽を取る前の玄米が消化が悪いと言われているのはこのためです。
玄米は消化に時間がかかる
玄米についているセルロースは不溶性食物繊維が多く含まれています。
便秘のお悩みをもつお母さんは耳にしたことがある言葉かもしれませんね。
不溶性食物繊維は腸壁を刺激するので便秘改善に効果がありますよね。
不溶性食物繊維は、胃の中で水分を吸収して数倍~数十倍に膨らみゆっくりと腸に移動します。
胃から腸へ長い時間をかけて移動するということは消化に時間がかかる、ということです。
消化に良いものを普段食べなれている子供の胃腸は「お?今日はすごくがんばらないと消化できないぞ!」とがんばります。
がんばって消化すると胃腸は普段よりエネルギーを多く使いますので負担がかかります。
大人ほど百戦錬磨ではない子供の胃腸は「もう消化するエネルギーがありません!」と白旗をあげてしまい、
消化不良を起こす可能性があるのです。
玄米はよく噛んでこそおいしい
玄米は一枚殻を多く被っていますから、硬い食感です。
普段ふっくらもっちりした白米を食べなれていると余計にパサパサして硬いというイメージがあると思います。
玄米を炊くときは白米と比べて炊飯器では1.5倍~2倍量の水を使って炊く必要があるほどです。
水分量を守りしっかり芯まで火を通すように炊くとふっくらと仕上がりますが、
白米のふっくらもっちり加減と比べると硬めです。
よく噛んで食べることでぬかの香ばしさの中から米の甘みや旨味を感じ、
更には咀嚼回数が多くなることで満腹中枢も刺激され少量でも満足感があります。
そして消化の点からも、よく噛んで食べてしっかりと殻を破ることで胃腸に負担を掛けずに、
緩やかに消化・吸収が出来るのです。
このようによく噛んで食べる必要がある・よく噛んでこそ感じられる旨味がある玄米ですから、
よく噛んで食べることを意識出来ない年齢の子供には玄米のおいしさを理解するという点では難しいかもしれません。。
ぬかの香ばしさを「変なにおいがする~」と感じる可能性もあります。
子供が玄米を食べるのはいつから?
栄養士さんに聞いてみました
便秘気味の娘に玄米の持つ【不溶性食物繊維による便秘改善】効果を期待して、
保育園の栄養士さんに何歳から食べてもいいか聞いてみました。
栄養士さん曰く「3歳以降からがいいと思います」とのこと。
理由としては、
・2~3歳で乳歯が生え揃い、食べ物を噛み砕くことが上手になってくる
・3歳ごろはお話も上手になり、親が話す言葉をかなり理解するようになる
(「玄米だからたくさんカミカミもぐもぐしてね」など)
・2~3歳ごろに消化機能が整ってくる
ということでした。
「2歳はまだ”ついこないだまで1歳”という年齢なので、3歳以降がベストです」ともおっしゃっていました。
そして私が期待していた便秘改善効果ですが、
不溶性食物繊維は多く摂りすぎると水分を吸収する性質上、便が硬くなります。
その為に逆に便秘を引き起こす可能性も。
水溶性食物繊維を含む食べ物とバランスを取って食べたり、水分を多めにとることで便の硬さは解消できますが、
まだまだ偏食のある2~3歳児に「体にいいから!」という理由で食べさせるのはなかなか難しいですよね。
便秘気味の2~3歳児には食べさせない方が良いのではないか、というのが栄養士さんの見解でした。
まれに玄米アレルギーが出ることもあるので、食べさせるのであれば少量からというご注意も頂きました。
噛む練習をさせたい子供にはGOOD
便通が良い子供でご飯を丸飲みしてしまう癖がある子には、玄米食は良いと言われています。
実際に私の姪がよく噛まないで食べる癖があったので4歳から玄米と白米を1:2で炊いたご飯を食べさせて練習させていました。
「ぷちぷちっていっぱい噛んでね」と言ってあげると玄米の独特の食感が楽しいのかよく噛んで食べるように。
元々焼き魚や煮物などの和食党だったので玄米とおかずとの相性も良く、受け入れやすかったのかもしれません。
毎日毎食ではなく、夕飯だけ・1日置きに、など調整すると飽きがこなさそうです。
前述したように独特の風味がある玄米ですから、子供が嫌がらないよう工夫してみてくださいね。
玄米よりも発芽玄米がおすすめ
噛む練習、子供に負担なく玄米の持つ栄養素を取入れてあげたい、というお母さんは発芽玄米がおすすめです。
文字通り玄米を発芽させた状態のお米で、
・発芽によって殻が破られ柔らかくなり食べやすい
・発芽によって酵素が活性化され旨味が増す
・特に食物繊維・ギャバなどの栄養素が格段に高い
※ギャバ(GABA)…アレルギー予防、アトピー性皮膚炎改善、精神安定作用 に効果がある栄養素
など大人はもちろんのこと、子供にとっても良い効果が期待できます。
玄米までとはいかないものの、ぷちぷちとした食感が残るので噛む練習にもなります。
以前娘にひとくち味見、と食べさせてみたらおいしかったようで、ペロッと発芽玄米だけで一膳食べられてしまったことがあります。
ぬかの香りもだいぶ減るのでぜひ試してみてくださいね。
まとめ
子供の玄米食については様々な文献や見解があり、どれが正しいのか情報を取捨選択するのは難しいですね。
私もとても悩み栄養士さんに相談したりもしましたが、子供のことを熟知しているお母さんが、
その時その時で判断して食べさせるのが一番良さそうだなと思いました。
玄米でも白米でもなんでもおいしく食べられるように工夫して食べさせられたらいいな、と思います。